- 作成日:2007-07-04 23:00:48 (中原 雄一) | 更新日:2007-07-04 23:00:48 (中原 雄一)
「ふとる」「やせる」の意味
以前私は「ふとる」「やせる」という言葉について、国語辞書を引いたことがありました。
国語辞書には
- 「ふとる」=「ふとくなる、肥える」
- 「やせる」=「肉付きが悪くなる、細くなる」
という内容が書かれていました。
最も単純化すれば、私たちの「ふとる」「やせる」は「摂取エネルギー」と「消費エネルギー」のバランスによって規定されます。
- 摂取エネルギー = 食事などで外部から取り入れるエネルギー
- 消費エネルギー = 身体活動で消費するエネルギー
1.が2.を上回れば「太る」し、2.が1.を上回れば「やせる」のです。
では、まず、「ふとる」ということを分析してみましょう。私たちのその時に必要としているエネルギーに対して、余ってしまったエネルギー(余剰エネルギー)の多くは皮下や腹腔(内臓周囲)などに脂肪として蓄積されることになります。この積み重ねの結果が肥満であるともいえるでしょう。
エネルギー バランス 「ふとるパターン」
いま、あなたの体重が増えつづけているのであれば、全体的に消費エネルギーを摂取エネルギーが上回る生活パターンになっていることは間違いないと思われます。
左の図を使って解説します。
図に書き込まれた数値は1日当たりの摂取エネルギー(kcal)のサンプルですが、あくまで例ですので、具体的な数値についてはここではあまり気にする必要はありません。
まずはいちばん上の、「摂取エネルギー=消費エネルギー」の状態を見ましょう。この状態ではあなたの体重は増えもせず、減りもしないと推定されます。 この状態を基準に、どのような状況が発生したら太るか、分析してみます。
まず第一の太るパターンは「過食」です。上記基準の状態から、エネルギーを取りすぎた状態、つまり「食べすぎ」の状態でであるといえます。
第二の太るパターンは「活動不足」です。基準の状態に対して生活の活動レベルが低すぎる状態、つまり「活動する量が不足している」状態といえます。「あまり食べないのに太る」という人はこの状態と考えられます。
最後の第三のパターンは、第一パターンと第二パターンを複合した、最悪の状態といえるでしょう。「食べすぎ」でありながらなおかつ「活動不足」なのですから。
エネルギー バランス 「やせるためのパターン」
ここまで読み進めたあなたは、摂取エネルギーが消費エネルギーを何らかの形で上回ることで、「太る」ということがお分かりになったと思います。それでは、問題を解決して「やせる」ためにはどうすれば良いのでしょうか? そうです。お察しの通り、基本的には上記のパターンの逆を行い、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回るようにすればよいのです。私たちがやせるためには、右の図のようなパターンが必要です。
例えば、「過食」の場合は、基本的に食事の量を減らすことが必要になります。
「活動不足」の場合には、少し運動して活動量を増やしたり、基礎代謝量(生命維持に最低限必要なエネルギー量)を増進することを考えなければならないでしょう。
「過食」と「活動不足」の両方がある場合は、減食と運動の両方を行えばいいことになります。
しかし、実際にはことはそう簡単ではなく、このようなコントロールにはそれなりの「妙」があります。食事の量を抑えすぎた場合、カラダがそれに合わせて「エネルギー消費量」を全体的に下げてバランスを取ろうとして(減量という行動への適応現象)、思うような効果が出なくなることがあります。
同じく、運動(特に有酸素運動)を行いすぎた場合にも、似たようなことが起こるようです。
フィットネス クラブでも「食事に気をつけていて、1日に3本もエアロビクスのレッスンに参加しているのに、どうしてやせないの?」という方が大勢いらっしゃいます。これも、上記のような適応が一つの原因になっているのではないかと考えられます(併せて、エアロビクスのレッスンの場合「動作を上手に行う(流す)」ようになってしまい、本来力をいれなきゃいけない場面で力を抜いてしまっているケースが多くみられます。これも、3本ものエアロビクスレッスンをこなしているのにエネルギーを使えない大きな原因だったりします)。
このようなコントロールを極端に行うことで短期間の効果を望んでしまってはいけません。無理のない範囲で行うことで、長期間にわたって効率よく減量を進めるという気持ちが必要になります。消費エネルギーに対して摂取エネルギーが極端に少なすぎると、1日の消費エネルギーが最大で15%減少するという報告もあります。
急いで落とそうと思えばそれも不可能ではありません。しかし、それを長く続けることは健康上、精神衛生上、美容上、その他の理由で限りなく不可能に近いことなのです。